スタンダード(標準的な)車椅子に求める機能ってなんだろう。
「車」であり「椅子」であるわけだから。
と。普段からわりと難しくややこしいことを考えています。
この度。隣県のメーカーであり卸でありショップでもあるケア・システムの山場氏より
もはや、ソウルパートナーとでも呼んだほうがいいか!と思える
車椅子の提案があり、ここに書くに及んでいます。
一私見です。
「車」の部分については、
自走式であれば、「こぎやすさ」が一定以上である必要性を感じます。
「こぎやすさ」に求めたい機能は何かと言うと
案外たくさんありまして、
・性能の良い、外でも中でも使いやすい万能タイヤ
・手が滑りにくく、嫌な感じがしないハンドリム
・こぐときにフレームのゆがみがない、剛性
・足駆動でフレームが足に緩衝しにくい設計
・直進安定性と操舵の機敏さ
などが思いつきます。
いずれも、今、一般的にスタンダード車椅子と言われている機種に備わっているかというと
うーーん。てな感じですね。
「椅子」部分についてです。
スタンダードなという言葉に、「誰もが初めて乗る車椅子」という意味を
勝手に込めさせていただいて、という前提としますが(回りくどいw)
「こぎやすい」姿勢を維持しやすいフレーム構造・角度
具体的には前座高―後座高差が少しあり、背もたれの接触面積をしっかり
とれる状態でありつつ、前傾姿勢へのチェンジもしやすい。
お尻の前ずれが起きにくい構造でもあり、そのためのもう1点として
フット・レッグサポートが垂直落としになっていること。
そして、何よりカッコいいこと。
自分の移動手段・脚代わりとして、
お気に入りの衣服を着るような感覚でいられること。
ここ大事。
写真で見せている車椅子は、
両下半身まひの方用の車椅子であり、スタンダードではないだろ!
と思われる方が多いかもしれませんが、
それは先入観です。
フットサポートは左右独立の跳ね上げになっているし、
ブレーキ延長レバーを片側につけてある点なんて、
むしろ片麻痺者仕様です。
経験上、高齢者でこのようなデザインの車椅子に乗車してもらうと、
バックサポートの高さが足りず不安、という声がよく聴かれました。
逆に言えばそこだけなのです。
写真の車椅子は、バックサポートの高さ調節ができるのです!
個人的なセンスとしては、バックサポートを高くすると、
見た目のカッコよさは落ちます。
しかしながら、トータルデザインとして、
従来からスタンダード車椅子と言われているものと比べてどうでしょう?
私ならばこちらをチョイスしますね。
最初に乗る車椅子はアクティブ仕様を。
その方が、後に全身が衰えた時の、体の状態が変わるはずです。
例えば、円背になりにくい。脊柱のねじれが起きにくい。足底に荷重する癖がいい感じで残り、移乗動作がしやすい。などなど期待できます。
山場氏は、本機種を介護保険レンタルにのせていく予定です。
ぜひ応援したい。